世の中の移り変わりを見ていると、 もう一つの悪が目についた。 王や支配者たちの嘆かわしい有様だ。
わたしは日の下に一つの悪のあるのを見た。それはつかさたる者から出るあやまちに似ている。
太陽の下に、災難なことがあるのを見た。 君主の誤りで
愚か者が成功し、 使用人が主人を支配するのはふさわしくありません。
神を恐れる人が成功するとだれもが喜び、 悪者が成功するとがっかりします。
上司にしかられても、職場を放棄してはいけません。 冷静な態度は、相手の不きげんをなだめます。
愚か者に大きな権威が与えられているのに、 富む者に当然と思える社会的地位さえ 与えられていないことがある。
私はそれだけでなく、世界中で正義がすたれて犯罪が増し、法廷さえ金次第になっていることを知りました。
次に私は、世界中で行われているしいたげと悲しみを見ました。しいたげられている人が涙を流しても、だれも手を貸そうとしません。一方で、しいたげる者たちはしっかりと手を組んでいます。
愚かしく思えることが、もう一つあります。
私はまた、ここかしこに深刻な問題があるのに気づきました。せっかくの貯金が危険な投資に使われ、子どもに残す財産もなくなってしまうという現実です。
至るところに、悲しい不幸が見られます。ある人は神から巨万の富と名誉を与えられ、欲しいものは何でも手に入る身分でありながら、人生を楽しむだけの健康に恵まれていません。そのため早死にして、全財産を他人の手に渡すことになってしまいます。これは実に悲しむべきことで、やりきれない思いがします。