やがて、彼らはカナンの地の父ヤコブのもとへ帰り、一部始終を報告しました。
「いったいどういうことか。おれの袋に銀が入っているぞ。」彼らは身を震わせました。「きっと神様がこうなさったんだ。だが、どういう意味なのだろう。」
「総理大臣というのがとても恐ろしい人でね、われわれをスパイだと言ってきかないのです。
私どもは戻って、そのとおり父に申しました。
こうして一行は出発し、カナンにいる父ヤコブのもとへ帰りました。
「お父さん! ヨセフが、ヨセフが生きていたのです。それも驚くではありませんか、エジプトの総理大臣なのです!」一同は、帰るとすぐさま父のところへ飛んで行き、勢い込んで知らせたのに、ヤコブはうれしそうな顔ひとつしません。今さらそんなことが、どうして信じられるでしょう。