イサクはすっかりだまされてしまいました。そして、エサウになりすましたヤコブを祝福しようとしました。
「だけどお母さん、そんなに簡単にはいきませんよ。だいいち、兄さんは毛深いのに、僕の肌はこんなにすべすべです。お父さんがさわったら、すぐにばれてしまいます。そのあげく、お父さんはだまされたと思って、祝福するどころか、のろうに決まってます。」
また、やぎの毛皮を手にかぶせ、首の回りにも毛皮を巻きました。
そばへ行ったヤコブをイサクは手でなで回しながら、ひとり言のようにつぶやきます。「声はヤコブそっくりだが、この手はどう考えてもエサウの手だ。」
「おまえは、ほんとうにエサウかい?」 「ええ、もちろん私ですよ。」
イサクが二人の息子ヤコブとエサウに、神が将来、必ず祝福を与えてくださると確信したのも、信仰によるものでした。