全く息つく暇もありません。モーセのあまりの忙しさに驚いたイテロが聞きました。「一日中こんなに大ぜいの人が、あなたに相談しにやって来るとは。どうして、この山のような仕事を一人だけで片づけようとするのか。」
彼は、毎朝早く起きて町の門へ出かけました。王のところへ訴えを持ち込む者を見つけると、そのつど呼び止めて、さも関心があるように訴えを聞くのです。
翌日、モーセはいつものように座って、朝から夕方まで人々の間の不平や訴えを聞いていました。
「それは、難しい問題が起きると、みな私のところへ来て判断を仰ぐからです。裁判官のように、どちらが正しいか、どちらが間違っているかを決めたり、神様が求める生き方はどういうものかを教えたりします。みんなのために神のおきてを実際問題に当てはめて裁くのです。」
この人たちは、問題が起こればすぐ解決して、正しい判決を下すことができるようになっていました。難しい問題はモーセのところへ持って来ますが、小さな問題は自分たちだけで裁きました。
どう裁いてよいかわからず、ひとまず監禁しておくことになりました。
ユダ族が、アラデの南方ネゲブの荒野の新天地に移った時、モーセの義父の子孫であるケニ族の人々も同行しました。彼らは、「なつめやしの町」と呼ばれたエリコを離れ、以後ずっといっしょに生活しました。