私を見ていられるのも長くはない。 もうじき、私の死骸を見るようになるだろう。
しかし死んでしまった今、断食して何になる。もう、あの子を呼び戻せはしない。私があの子のところへ行くことはできても、あの子はここへは戻って来ないのだ。」
壁に囲まれた牢獄にぶち込まれ、 私は朽ちた木のようになり、 虫に食われた着物のようになります。
しかし、人は違う。 死んで葬られると、その霊魂はどこへ行くのか。
あなたは、このようにはかない人間をきびしく責め、 あくまでさばこうとするのですか。
彼は幻のように消え失せ、
友人も家族も、二度とその姿を見ることはない。
寝るときは金持ちであっても、 朝、目を覚ますと財産がごっそりなくなっている。
生まれてすぐ死んでいたら、 今ごろ安らかに眠っていただろうに。
なぜ私の罪を赦し、除いてくださらないのですか。 私は今にも息絶える身ではありませんか。 神が捜しても、私はどこにもいなくなるのです。」
ところが、そんな者が急に姿を消しても、 だれも悲しんではくれない。
風に吹き飛ばされて消えるような ちっぽけなものであることを知っておられるからです。
ひとたびあなたから罪を罰せられれば、 だれでも倒れてしまいます。 人は、虫に食われた衣類のようにもろく、 霧のようにはかないものですから。