一方では、生まれて一度も幸せだったことのない 貧しい人をも滅ぼす。
ご承知のように、お父君とその部下たちはりっぱな勇士です。今は、子熊を奪われた母熊のように気が立っておいででしょう。そればかりか、戦いに慣れておられるお父君は、兵卒とともに夜を過ごしたりはなさいますまい。
すると彼女は答えました。「あなたの神、主にお誓いして申します。家には一切れのパンもありません。つぼの底に粉がほんの少しと、ほかにわずかばかりの油が残っているだけです。実は、それで最後の食事を作るため、たきぎを集めていたところなのです。それを食べてしまったら、息子と二人、飢えて死ぬのを待つだけです。」
ああ、もう生きていたくない。 頼むから、思いきりうっぷんを晴らさせてくれ。 積もる恨みつらみをぶちまけ、
彼が腹いっぱいになる寸前に、神の怒りが下る。
どちらも、同じちりの中に埋められ、 同じようにうじ虫の餌食になる。
なぜ、悲惨な境遇にある者に、 光といのちが与えられているのか。 彼らは死にたくても死ねない。 人が食べ物や金品のことで目の色を変えるように、 ひたすら死を求めているのに。
頼むから、私の苦しみをわかってほしい。 悩み苦しんでいる私に、気がすむまで語らせてほしい。
次から次へと、息もつかせず、 非常な悲しみで私の心を満たしている。
悲しみも喜びも、真にわかるのはその人自身で、 他の人が完全に共有することはできません。
「人の子よ、震えながら食事をしなさい。水も、これで最後であるかのように制限して飲みなさい。
