盗人は栄えるものだ。 さあ、神を怒らせてみたらどうだ。 別に何が起こるというわけでもあるまい。 それでも神は、必要なものは全部下さるだろう。
その一方では、金持ちどもが、 弱っている者をあざけり、 困っている者を目ざとく見つけてはさげすむ。
主がそういうことをする方だということぐらい、 だれでも知っている。 犬や獣でも、それぐらいのことは知っている。 鳥に聞いてみるがいい。そうだと答えてくれる。 地と、海の魚に教えてもらうがいい。 同じ答えが返ってくるだろう。
しかも、神に言ってはならないことを 言い放っている。
私だったら、口が裂けてもこんなことは言えない。 彼らは、神が良い物をいっぱい下さったことを 忘れている。
全地は悪者どもの手中にある。 神は裁判官の判断力を奪い、 不公平な裁判を行わせる。 そうするのが神でないとしたら、 いったいだれが張本人なのか。
悪者をうらやんではいけません。
この光景は私自身も目にしました。 そびえ立つレバノン杉のように、 おごり高ぶった悪者が、 次の瞬間には影も形もなくなっていたのです。 ひとみをこらして捜しましたが、 その姿は消え失せていました。
傲慢な者や悪党が栄えるのを、 ねたましく思ったからです。
たとえ、今は雑草のようにはびこっていようと、 悪人を待ち受けているのは永遠の滅びだけです。
神よ。これまでどんな問題にも、 あなたはいつも正義をもって答えてくださいました。 しかし今度は論じ合いたいのです。 どうして、悪人がこんなに栄えているのですか。 どうして、心の曲がった者が こんなにも幸福なのですか。
彼らの家は、鶏がいっぱいいる鳥小屋のように、 悪だくみであふれ返る。 その結果はどうなっただろうか。 今彼らは名を上げて、金持ちになり、
ごちそうをたらふく食べ、 周りの人にもてはやされている。 彼らの悪事は際限がなく、みなしごを正しく扱わず、 貧しい者の権利をないがしろにしている。
風のように吹き抜け、去って行くが、彼らの罪は重い。 その力は自分たちの神々から与えられたと 言い張るからだ。」
