「王様、あのツィバが欺いたのでございます。私はツィバに、『王について行きたい。私のろばに鞍を置け』と命じました。ご承知のように、私は足が思うようになりませんもので。
彼のあとには、ベニヤミン人が千人ほどついて来ていましたが、その中に、かつてサウル王に仕えたツィバとその十五人の息子、二十人の召使もいました。彼らは王の来る前にヨルダン川に着こうと、息せき切って来たのです。
さて、亡きサウル王には、メフィボシェテという孫がいました。ヨナタンの息子で、足の不自由な子でした。サウルとヨナタンがイズレエルの戦いで倒れた時、彼は五歳でした。悲報が都にもたらされた際、乳母が彼を抱いて、あわてて逃げるうちにつまずいて倒れ、その子を落としてしまい、そのために彼は足が不自由になったのです。
「サウル王の血筋で、だれか生き残った者はいないか。いれば、その者を手厚くもてなし、立てた誓いを果たしたいのだが。」 「ヨナタン様のお子で、足の不自由な方がご存命です。」