「では、お父上が腹を立てておられるかどうか、どんな方法で知らせてくれますか。」
「総理大臣というのがとても恐ろしい人でね、われわれをスパイだと言ってきかないのです。
ヨセフはひと目で兄たちだとわかりましたが、わざとそ知らぬふりをし、きびしく問いただしました。「おまえたちはどこから来たのか。」 「カナンからまいりました。穀物を少し分けていただきたいと思います。」
新しい王は若者たちが言ったとおり荒々しく答えました。長老たちの助言を無視して、
貧しい人は拝むようにして頼み、 金持ちは相手を軽蔑しきって答えます。
「さあ、いっしょに野に出よう。」 二人は連れ立って出かけました。
「そんなことをするわけがない。父が君をねらっているとわかったら、黙ってなんかいないから。」
ところが、ナバルからはこんな答えが返ってきました。「ダビデ? それはだれなのか。エッサイの子だか何だか知らないが、いったい何者だ。このごろは、主人のもとから逃げ出す奴隷が大ぜいいる。
その間一方で、ナバルの使用人の一人が、アビガイルに一部始終を知らせました。「ダビデ様がだんな様に、荒野から使者を立て、あいさつして来られましたのに、だんな様は、さんざんその方々を侮辱したり、なじったりなさったのです。
さあ早く、ここは、しっかりとお考えください。このままでは、だんな様ばかりか、この一家に災いが及ぶことははっきりしております。だんな様はあのとおり頑固な方ですから、だれもおいさめできないのです。」