そして悲しみの歌を歌う。 『海の真ん中で滅ぼされたツロのように不思議な町が、 世界のどこにあっただろうか。
道行く人よ、何とも思わないのですか。 主が燃える怒りの日に、 こんなにも私を悩ませたのです。 これ以上の悲しみを見たことがあるでしょうか。
今までこんな悲惨なことがあったでしょうか。 エルサレムよ。 あなたの苦悩を何にたとえたらよいでしょう。 どのようにして慰めたらよいのでしょう。 その傷は海よりも深く、だれにもいやせません。
財宝も商品も残らず略奪され、城壁も打ち壊される。 快適な家は取り壊され、石も木も、そしてちりまでも、 海に投げ捨てられる。
彼らはおまえのために嘆き悲しみ、こんな哀歌を口にする。 『ああ、難攻不落を誇った港の町。 その強大な海軍力が本土を恐れさせたのに、 どうして海に消えてしまったのか。
「人の子よ、ツロのために、この悲しみの歌を歌え。
だが今、ツロの政治家たちは おまえの船を嵐の真っただ中にこぎ出した。 激しい東風に、さすがの巨船もぐらつき、 海の真ん中で難破する。
「人の子よ、ツロの王のために泣け。 神、主はこう語る、と告げよ。 おまえは知恵に満ち、美を極めていた。
彼女が焼かれる煙を見て、涙ながらに、『あれほどすばらしい都が、この世にあっただろうか』と嘆くでしょう。