ああ、貿易の中心地、強大な港町よ。 主のことばを聞きなさい。 おまえは『私は世界で一番美しい町だ』 と自慢している。
シオンの山のうるわしい宮から、 神の栄光が輝きわたります。
ゲバル、アモン、アマレク、 ペリシテ、ツロの住民たち、
外国から船で運ばれて来た輸入食品を買います。
主は海の上に御手を伸ばし、 地上の国々を縮み上がらせます。 この偉大な商都を滅ぼせと命じた神は、 こう語りします。 『ああ、名誉を傷つけられたシドンの娘よ、 二度と小躍りして喜ぶな。 おまえはたといキプロスに逃げ伸びても、 休むことはできない。』
しかしあなたは、自分の美しさを鼻にかけ、それさえあれば、わたしなしでもやっていけると考えた。そして、やって来る男には、だれかれかまわず、娼婦のように身を任せた。その美しさは、それを求める男のものになり下がった。
財宝も商品も残らず略奪され、城壁も打ち壊される。 快適な家は取り壊され、石も木も、そしてちりまでも、 海に投げ捨てられる。
彼らはおまえのために嘆き悲しみ、こんな哀歌を口にする。 『ああ、難攻不落を誇った港の町。 その強大な海軍力が本土を恐れさせたのに、 どうして海に消えてしまったのか。
領土を海の中にまで広げ、 建築家たちはおまえを豪華に仕上げた。
あらゆる国の人々が、彼女のみだらな毒ぶどう酒に酔いしれたからだ。また、地上の支配者たちは彼女と快楽にふけり、地上の商人たちは、彼女のぜいたくな浪費のおかげで大もうけをしたからだ。」