王は同意し、考えの変わらないしるしにと、指輪をはずしてハマンに渡しました。
その後まもなくして王は、アガグ人ハメダタの子ハマンを総理大臣に抜擢しました。今やハマンは、国王に次ぐ実力者でした。
「金の心配はいらない。とにかくおまえの考えどおりにやってよい。」
もしよろしければ、彼らを抹殺せよとの勅令を出していただけませんか。必要な費用につきましては、私が銀一万タラントを国庫に納めさせていただきます。」
「恐れながら陛下、ここにおりますハマンこそ、悪の張本人、私どもの敵でございます。」 ハマンの顔からは、みるみる血の気が引いていきました。
王はハマンから取り返した指輪をはずしてモルデカイに与え、即座に総理大臣に任命しました。エステルはモルデカイに、ハマンの財産の管理を一任しました。
ユダヤ人の件については、私の名を用いて思いどおりの通達を出すがよい。王の指輪で印を押すのだ。だれにも有無を言わせないためだ。」