心の優しい女でさえ、生き延びるために、 自分の腹を痛めた子どもを食べました。
最後の年の第四の月の九日になると、町に残っていた最後の食糧も底をつきました。
町中が上を下への大騒ぎになっています。 あれほど繁栄していた優雅な都に、 足の踏み場もないほど死体が転がっています。 勇敢に戦い、戦死したのではなく、 疫病で倒れた人たちの死体なのです。
「いや、母親がわが子を忘れ、 愛さなくなることがあるだろうか。 たとえそんなことがあっても、 わたしはあなたを忘れない。
敵が町を包囲するので食糧はなくなり、閉じ込められた者が自分の子や友人の肉を食べるようになる。
私は涙のかれるまで泣きました。 同胞の身に起こったことを見て、 悲しみのあまり胸が張り裂け、 身を切られる思いでした。 幼い子どもや、生まれたばかりの赤ん坊が、 道ばたで衰弱し、息絶えていくのです。
主よ、思い直してください。 このような仕打ちをしている相手は、 神の民ではありませんか。 母親が、ひざの上であやしたわが子を 食べていいのでしょうか。 祭司や預言者が、神殿で殺されてよいのでしょうか。
同胞が滅んでいくのを見て、 昼となく夜となく、涙があふれ出ます。
山犬でさえ、自分の子を育てるというのに、 イスラエルは荒野のだちょうのように、 赤ん坊の泣き声を聞いても知らぬふりをしています。 一滴の水も残っていないので、 子どもたちは渇きのため、 のどがかれています。 幼子はパンが欲しくて泣きますが、 誰ひとり、一かけらも与えることができません。
親がわが子を食べ、子も親を食べるようになる。幸いにして生き残った者も、世界中に散らされる。
あなたがたを、わが子の肉まで食べるほどに飢えさせる。