今までに一度もこちらから害を加えたことのない敵が、 まるで鳥をねらうように、私を追いかけました。
理由もないのに私を憎み、 攻めかかって来るのです。
私は主に信頼しています。 なぜ、あなたたちは臆面もなく、 「身の安全のため山へ逃げろ」と言うのですか。
この世の権力者は、いわれもない迫害を加えますが、 私の恐れるものはただ一つ、あなたのおことばだけです。
猟師のしかけた網から逃げる鳥のように、 助かったのです。 網が裂けて、たちまち自由に 舞い上がることができたのです。
理由もなく私を憎む者どもに、 勝ち誇らせないでください。 私が倒れるのを見て、彼らが手をたたくなど、 あってよいものでしょうか。 彼らにこそ、死がふさわしいのです。
彼らは無実の私にぬれぎぬを着せようと、 罠をしかけ、落とし穴を掘ったのですから。
理由なく私を憎む者があとを絶ちません。 何も悪いことをしていない私を 殺そうと謀る者たちはみな、有力者ばかりです。 私は身に覚えがないのに、 彼らは報復しようといきり立っています。
続いてエレミヤは、牢に入れられたことに話題を変えました。「私は牢に入れられるようなことは何もしていません。いったいどんな罪を犯したというのですか。もし私が、あなたや家来や一般の民衆に対して何か悪いことをしたのなら、それを教えてください。
私の胸は、エルサレムの娘たちの災いを知って、 張り裂けんばかりです。
こうして、『彼らは理由もなしにわたしを憎んだ』(詩篇35・19、69・4)というメシヤについての預言は、そのとおり実現しました。