父親には、エジプトの珍しい産物を積んだろば十頭と、穀物や旅に必要な食糧を積んだ雌ろば十頭を贈り物としました。
さっそく、旅行の準備にかからなければなりません。まず、らくだを十頭選びました。また、贈り物として最上の物を幾つかより分けました。それを全部らくだに積み終えると、一行はナホル(アブラハムの兄弟)の住むアラム・ナハライム地方(現在のイラクの一地域)へ向かったのです。
とうとうイスラエルも承諾しました。「どうしても連れて行くのなら、せめてこうしてくれ。ろばにこの国の最良の産物を積むのだ。その総理大臣とやらへの贈り物にな。香油、はちみつ、香料、没薬、くるみ、アーモンドなどを持って行くといい。
一人一人に新しい服を渡し、ベニヤミンには特に五着も渡したうえに、銀貨三百枚を与えました。
これで、すっかり準備は整いました。 「途中で言い争いなどしないでください」と、ヨセフは兄弟たちに言って送り出しました。
「ああ、エジプトにいればよかったのに。あのまま主の手にかかって死んだほうがまだましだった。あのころは、少なくとも食べ物はたっぷりあった。なのに、あなたたちはこんな荒野に私たちを連れ出し、ここでみんなを飢え死にさせようとしている。」