しかしヤコブは、ヨセフの弟ベニヤミンだけは、どうしても行かせませんでした。〔ヨセフの時のように〕ベニヤミンの身にも何か悪いことが起こるといけないと思ったのです。
それからこう言われました。「人間は、われわれと同じように、善悪の区別がわかるようになってしまった。この先、『いのちの木』にも手を出し、永遠に生きることがないようにしなければならない。」
ラケルの子は、ヨセフ、ベニヤミン。
ヨセフの十人の兄は、こうして、エジプトへ穀物を買いに行くことになりました。
しかし、ヤコブは聞き入れません。「あの子は絶対エジプトへはやらない。兄のヨセフはすでに死に、同じ母親の子はあれしかいない。あの子に万一のことがあれば、私も死ぬ。」
その人の前に立つ時、全能の神様が守ってくださり、シメオンが自由にされ、ベニヤミンも無事に帰れるように。もし、この二人が死ぬことにでもなったら……それもしかたあるまい。ただじっと耐えるだけだ。」
ヨセフは弟ベニヤミンの顔をじっと見つめました。「これが末の弟か。そうか、この子がなあ。どうだ、疲れてはいないか? あなたに神様の恵みがあるように。」