私どもはみな兄弟で、正直な者です。スパイだなんてありえません。」
「いや、スパイだ。そうに決まっている。われわれがどのくらい弱ったか見に来たのだ。」
だれか一人が行って、弟を連れて来なさい。あとの者は全員、拘束させてもらう。そうすれば、おまえたちの申し立てがほんとうかどうかわかる。もし弟がいなければ、おまえたちは間違いなくスパイだ。」
一応おまえたちの申し立てを信じるから、一人だけここに残れば、あとの者は穀物を持って帰ってよい。
そこで、『とんでもない。私たちはまじめな人間で、スパイなんかではありません。
「あの人が家族のことをしつこく聞くので、しかたがなかったのです。お父さんが元気かどうか知りたがっていたし、ほかに弟はいないのかと尋ねるものだから、『いる』と答えたのです。『その弟を連れて来るように』などと言われようとは、夢にも思わなかったのです。」みな口々に弁解しました。
自分の意見だけをまくし立てる人は、実はわが身がほめられたい一心なのです。しかし自分をお遣わしになった方の栄誉を求める人は、正直者です。
あらゆる点で、自分がほんとうに神に仕える者であることを示そうと努めているのです。次から次へと襲って来る悩み、苦しみ、困難にも、しんぼう強く耐えています。