そこでフェストは、ユダヤ人の歓心を買おうとして、パウロに尋ねました。「どうだ、エルサレムで裁判を受ける気はないか。もちろん、私の前でだが。」
ピラトは群衆のきげんをそこねたくなかったので、結局、バラバを釈放することにしました。イエスのほうは、先端に鉛のついたむちで打たせてから、十字架につけるために引き渡しました。
このことでユダヤ人の指導者たちが上きげんになったことを知ると、今度はペテロを逮捕しました。ちょうど過越の祭りの最中だったので、祭りが終わりしだい処刑のためにユダヤ人に引き渡すつもりで牢に入れ、十六人の兵士に監視させました。
こんなふうにして二年が過ぎ、ペリクスに替わってポルキオ・フェストが総督となりました。しかし、ペリクスはユダヤ人のきげんを損ねたくなかったので、パウロを捕らえたままにしておきました。
こんな事件は、とても手に負えそうもありません。そこで、エルサレムで裁判を受ける気はないかと尋ねてみたら、
願うことはただ一つ、パウロを直ちにエルサレムに送り返してほしいということでした。彼らは、途中で待ち伏せて殺そうと思っていたのです。