兵営に連れ込まれようとした時、パウロは司令官に、「お話ししたいことがあるのですが」と言いました。そのことばに司令官は驚いて、聞き返しました。「あなたはギリシヤ語が話せるのか。ではあなたは、数年前、反乱を起こし、四千人の殺し屋を引き連れて荒野へ逃亡した、あのエジプト人ではないのか。」
答えることは、わたしが教えてあげます。どんな反対者も反論できないことばと知恵です。
これを見て自分も中に入ろうとするパウロを、弟子たちが必死に押しとどめました。
ひと通りあいさつがすむと、パウロは、この伝道旅行で、神がどれだけ多くのことを成し遂げてくださったかを、くわしく報告しました。
ところが、人々がめいめい勝手なことを叫び続けたので、さっぱり事情がつかめません。ひとまず、パウロを兵営へ連行するように命じました。
どうしてこれほどの怒りを買うのか、その事情を知りたいと思った司令官は、パウロを兵営に引き入れ、むち打って取り調べようと思いました。
叫び声はますます大きくなり、人々はパウロを両方から奪い合おうとします。パウロが引き裂かれるのではないかと心配になった司令官は、兵士たちに、力ずくでパウロを人々から引き離させ、兵営に連れ帰りました。
ところが、この陰謀を、パウロの甥が知ったのです。彼は急いで兵営に駆け込み、このことをパウロに知らせました。