この地上では、奇妙なことが起こっています。正しい人が悪人のような待遇を受け、逆に、悪人が正しい人のような待遇を受けているのです。これもまた、割り切れない思いにさせられます。
このような事態になっても、ヨブは罪を犯したり、神を悪しざまに言ったりしませんでした。
罪深い悪者が天寿を全うし、名を上げ、 羽振りをきかせているのが現実だ。
いや、ほんとうは、その必要はないのだ。 あなたたちも私と同じくらい 神のことを知っているのだから。 それなのに、 あなたたちは意味のないことばかりしゃべっている。
傲慢な者や悪党が栄えるのを、 ねたましく思ったからです。
世の中の移り変わりを見ていると、 もう一つの悪が目についた。 王や支配者たちの嘆かわしい有様だ。
次に私は、物事を成功させる原動力がねたみであることを知りました。これもまたむなしいことで、風を追いかけるようなものです。
息子も兄弟もいない一人暮らしの人が、さらに金持ちになろうと目の色を変えている場合です。この人は、だれに全財産を残そうというのでしょう。全く割の合わない、憂うつな話です。
私は、このむなしい人生のすべてを見てきました。正しい人が若死にし、悪人がたいそう長生きすることもあるのです。だから、正しすぎたり、知恵がありすぎたりして、自滅してはいけません。かといって、悪人になりすぎるのも、愚か者になるのも考えものです。自分の時が来る前に死んではいけません。
神よ。これまでどんな問題にも、 あなたはいつも正義をもって答えてくださいました。 しかし今度は論じ合いたいのです。 どうして、悪人がこんなに栄えているのですか。 どうして、心の曲がった者が こんなにも幸福なのですか。