彼らが舟から上がると、この町に住む男が一人、イエスに会いに来ました。長年、悪霊につかれ、家もなく、裸のまま墓場をねぐらにしている男でした。
夜は夜で、墓地や洞窟へ出かけて悪霊を拝み、 豚や、その他の禁じられているものを食べる。
また、戦争その他の理由で死んだ者の死体に野外で触れた者、骨や墓にさわった者も、七日間汚れる。
このイエスの奇跡の評判は、ガリラヤの外にまで広がったので、シリヤのような遠方からも、人々は病人を連れてやって来ました。悪霊につかれた人、てんかんの人、中風(脳の出血などによる半身不随、手足のまひ等の症状)の人など、その病気や苦しみがどのようなものであろうと、一人残らず治るのです。
たちまちイエスの回りは黒山の人だかりとなり、しかも、うわさの男は、服を着て、すっかり正気に戻って座っているではありませんか。人々は恐ろしくなりました。
こうして一行は、無事、ガリラヤの対岸にあるゲラサ人の地方に着きました。
男はイエスを見るやいなや、恐ろしい叫び声をあげて、その場に倒れました。「おれをどうしようというんだ! いと高き神の子イエスよ。お願いだから苦しめないでくれ!」
王は着物を脱ぎ、一昼夜、裸のまま地面に横たわって、サムエルの預言者たちとともに預言していました。家臣たちは、ただもう目をみはるばかりでした。思わず、「サウル王も預言者の一人なのか」と口走る者もいました。