ヘロデと部下の兵士たちは、さんざんイエスをばかにし、あざけったあげく、王が着るようなガウンを着せて、ピラトのもとに送り返しました。
しかし、私は虫けら同然で人間ではありません。 同国人ばかりか、すべての人々から さげすまれています。
イスラエルを救う聖なる方は、 さげすまれている者、のけ者にされている者、 支配者たちに踏みつけられている者に向かって、 こう言います。 「あなたが通ると、王は立ち上がって敬意を表す。 わたしがあなたを選んだので、 首長たちも深々と頭を下げる。 イスラエルの聖なる神であるわたしが、 あなたを選んだのだ。」
私たちは彼をさげすみ、受け入れませんでした。 彼は悲しみの人で、 苦しみをなめ尽くした人でした。 私たちは彼に背を向け、 そばを通っても顔をそらしました。 彼が侮られても、そ知らぬふりをしていました。
そのころ、イエスのうわさを聞いたヘロデ王(ヘロデ・アンテパス)は、回りの者に言いました。
実はこのヘロデは以前、兄のピリポの妻であったヘロデヤのことが原因でヨハネを捕らえ、牢獄につないだ張本人でした。
ところが、ヘロデの誕生祝いが開かれた席で、ヘロデヤの娘がみごとな舞を披露し、ヘロデをたいそう喜ばせました。
イエスは、「まずエリヤが来て道を整えるというのはほんとうです。実際、エリヤはもう来たのです」とお答えになりました。そして、エリヤが預言どおり、人々からひどい仕打ちを受けたことを説明してから、「では、メシヤが多くの苦しみを受け、さげすまれると預言されていることは、どう考えますか」とお尋ねになりました。
祭司長や他の宗教的指導者たちは、そばに立ち、激しい口調でイエスを訴えました。
イエスは、いばらの冠に紫色のガウンという姿のまま出て来られました。「よく見ろ。この男だ」と、ピラトが言いました。
たとえば教会に、金の指輪をはめたりっぱな身なりの金持ちと、みすぼらしい身なりの貧しい人が入って来たとします。
その時、金持ちには気を遣い、「こちらの良い席へどうぞ」と言って案内し、貧しい人には、「そこで立っているか、床にでも座っていなさい」と言ったとしたら、どうでしょう。