「モーセの律法には、もしある人が子どものないまま死んだら、その弟は残された未亡人と結婚しなければならず、二人の間にできた子どもは、法律的には死んだ者の子として家を継ぐ、と書いてあります。
打つ手がなくなったので、ユダは嫁のタマルに、しばらく実家へ帰ることを勧めました。末息子のシェラが結婚できる年齢になったら必ず呼び戻す、という条件で、ひとまず両親のもとへ帰したのです。しかし、それは表向きで、ほんとうはシェラと結婚させる気はありませんでした。この子まで、二人の兄と同じように、神に殺されてはたまりません。タマルは、言われたとおり両親のもとへ帰りました。
ユダはひと目見て驚きました。なんと自分が渡した品物ではありませんか。「私が悪かった。タマルを責めるわけにはいかない。こうなったのもみな、私が息子のシェラと結婚させると約束しながら、それを守らなかったからだ。」そしてユダは、二度と彼女と寝ることはありませんでした。
ユダは弟のオナンに言いました。「おまえはタマルと結婚しなければいけない。それが、兄に先立たれた弟の義務なのだ。そうして子どもができたら、兄の家系を継がせるのだ。」
ところで、七人兄弟がいたとします。長男は結婚しましたが、子どもがないまま死んだので、