領主たちは話しをやめ、手を口にあてた。
まともに私を見てみるがよい。 あまりの恐怖に、あなたがたは手を口に当てるだろう。
だれもが私のことばに耳を傾け、私の意見を尊重した。 人々は私が発言するまで静粛そのものだった。
青年たちは私を見ると道をあけ、 年老いた者も、わざわざ起立して敬意を表した。
「あえて、ひと言いわせてほしい。 もう黙ってはいられない。
「私は何の値打ちもない者です。 どうして答えることができましょう。 口に手をあてて黙り込むだけです。
頼むから、私の苦しみをわかってほしい。 悩み苦しんでいる私に、気がすむまで語らせてほしい。
ことば数が多いと失敗します。 配慮をもって話す人が、 ほんとうに知恵ある人です。
得意になって悪いことをするのは愚か者です。 少しは恥ずかしいと思うべきです。
愛する皆さん。人のことばにまず耳を傾け、自分はあとから語り、怒るのは最後にしなさい。
「どうか、おとなしく私どもとともにおいでくださり、われわれの祭司におなりなさい。あなただって、一軒の家でたった一人に仕えるより、部族全体の祭司になるほうがいいのではありませんか。」