イエスは、マルタたち三人を心から愛しておられました。
エルサレムへの旅の途中で、イエスはある村に立ち寄られました。マルタという女が、喜んで一行を家に迎えました。
一方マルタはというと、てんてこ舞いの忙しさで、「どんなおもてなしをしようかしら。あれがいいかしら、それとも……」と、気が落ち着きません。とうとう彼女は、イエスのところへ来て、文句を言いました。「先生。私が目が回るほど忙しい思いをしているのに、妹ときたら、何もしないで座っているだけなんです。少しは手伝いをするように、おっしゃってください。」
しかし主は、マルタに言われました。「マルタ。あなたは、あまりにも多くのことに気を遣いすぎているようです。
さて、ラザロという名前の人が病気にかかっていました。彼はマリヤとその姉マルタの兄弟で、ベタニヤという村に住んでいました。このマリヤは、イエスの足に高価な香油を注ぎ、それを髪でぬぐったことで知られる女性です。そのマリヤの兄弟ラザロが床に伏していました。
マルタとマリヤが、イエスのもとに使いをよこしました。「先生。あなたが心にかけてくださっているラザロが重い病気にかかり、明日をも知れない状態です。」
そこで、ユダヤ人たちはこう言い合いました。「お気の毒に。どんなにラザロを愛しておられたことだろう。」
けれども、なぜか、なお二日間そこにとどまって、なかなか腰を上げようとはなさいません。
ところが、もうれつな反対が返ってきたのです。「なんてことを、先生! つい先日、ユダヤ人の指導者たちが先生を殺そうとしたのをお忘れですか。それなのに、またのこのこと出かけて行くおつもりですか。」
わたしを愛し、わたしが父から来たことを信じるあなたがたを、父も心から愛してくださるからです。
わたしが教えたのです。これからも教えます。あなたの大きな愛が彼らをつつみ、わたしも彼らのうちにいられるように。」