夕方になったので、弟子たちはイエスのところに来て、「先生。もうとっくに夕食の時間も過ぎています。こんな寂しい所では食べ物もないですし、みんなを解散させてはどうでしょう。村へ行けば、めいめいで食べる物を買えますから」と勧めました。
この知らせを聞くと、イエスは舟をこぎ出し、ご自分だけで人里離れた所へ行こうとなさいました。ところが、大ぜいの群衆がそれと気づき、町々村々から、岸づたいにイエスのあとを追って行きました。
舟から上がったイエスは群衆をごらんになり、あわれに思って、彼らの病気を治されました。
しかし、イエスはお答えになりました。「それにはおよびません。あなたがたで、みんなに食べる物をあげなさい。」
しかし、イエスは堅く口を閉ざして、ひとこともお答えになりません。とうとう弟子たちが、「あの女に早く帰るように言ってください。うるさくてしかたがありません」と頼みました。
このまま帰らせたら、きっと途中で倒れてしまいます。それに遠くから来た人もいるでしょうから。」
そのうち、日も暮れ始めたので、十二人の弟子たちはイエスのところへ来て頼みました。「先生。この人たちを解散させてください。近くの村や農場に行って、食べ物と今夜の宿を見つけることができるようにしてやらなければ……。こんな寂しい所では、何もありませんから。」