ダビデは、サウルの孫、ヨナタンの息子メフィボシェテのいのちは助けました。ヨナタンとの間に誓いを立てていたからです。
「それがかなったら、メフィボシェテのものを全部、おまえに与えよう。」 「ありがとうございます、王様。心からお礼申し上げます。」
さて、亡きサウル王には、メフィボシェテという孫がいました。ヨナタンの息子で、足の不自由な子でした。サウルとヨナタンがイズレエルの戦いで倒れた時、彼は五歳でした。悲報が都にもたらされた際、乳母が彼を抱いて、あわてて逃げるうちにつまずいて倒れ、その子を落としてしまい、そのために彼は足が不自由になったのです。
ある日、ダビデは、サウルの家系にまだ生き残っている者がいないか、気になり始めました。もしいれば、ヨナタンとの約束があったので、情けをかけてやりたいと思ったのです。
おまえは自分の息子や召使たちとともに、地を耕し、彼の家族のために仕えなさい。しかし、メフィボシェテはここで、私といっしょに暮らす。」 ツィバには、息子が十五人と召使が二十人いました。そこで、「承知しました。ご命令のとおりにします」と答えました。以来、メフィボシェテは、ダビデ王の子ども同様に扱われ、いつも王といっしょに食事をしました。
そんな彼に、ダビデは優しく声をかけました。「心配には及ばない。来てもらったのはほかでもない、父君ヨナタンとの誓いを果たしたいと思ったのだ。力になりたいのだ。あなたの祖父、サウル王の土地は全部返そう。よかったら、この宮殿で暮らしなさい。」
誓ったとおりに王に従いなさい。どんないやなことであっても、誓いを果たすことから逃げようとしてはなりません。王は不従順な者に罰を加えるからです。
ヨナタンはダビデに言いました。「イスラエルの神にかけて約束する。明日の今ごろ、遅くともあさっての今ごろには、父に君のことを話してみよう。そうして、父の気持ちをすぐに知らせるよ。
いや、主が君の敵を一掃されたあとも変わりなく、私の子どもたちにまで、主の愛と恵みを示してくれ。」
ダビデを深く愛していたヨナタンは、もう一度誓って、
ヨナタンが口を開きました。「元気を出してくれ。私たちは、子どもたちの代まで、永遠に主の御手にゆだね合った仲ではないか。」 こうして二人は別れました。ダビデは去って行き、ヨナタンは町へ帰りました。
義兄弟の契りを結んだ者として、どうかこのことを引き受けてください。もし私がお父上に罪を犯したのであれば、あなたの手で私を殺してもかまいません。しかし、私を裏切ってお父上の手に引き渡すようなまねだけはしないでください。」
二人は友情を新たに確かめ合い、ダビデはホレシュにとどまり、ヨナタンは帰途につきました。
ダビデはそれを約束しました。サウルは自分の家に帰って行き、ダビデは部下を従えてほら穴に戻りました。