ヨアブが近づいて行くと、女は、「ヨアブ様ですね」と念を押しました。 「いかにも、私がヨアブだ。」
「どうぞ、もう一つだけ、お願いを聞いてください。」 「かまわぬ。言ってみなさい。」
その時、町の中から、一人の賢い女が呼びかけました。「もし、ヨアブ様、ちょっとここまでおいでください。お話し申し上げたいことがございます。」
「実は、昔から『物事に決着をつけたければ、アベルの人に聞け』と申すのでございます。いつも、私どものお勧めすることが理にかなっているようでしてね。
「ご主人様。このたびのことにつきましては、私がすべて非難をお受けする覚悟でございます。どうぞ、私の申し上げることをお聞きくださいませ。