『さあ、私を殺してくれ。この苦しみから救ってくれ。死にきれないのがつらくて耐えられないのだ』とおっしゃるのです。
そこで私は、もう時間の問題だと察したので、あの方にとどめを刺しました。そして、あの方の王冠と腕輪の一つを持ってまいりました。」
『おまえはだれか』とお尋ねになります。『アマレク人でございます』とお答えしますと、
苦しい息の下から、そばにいたよろい持ちに命じました。「さあ、おまえの剣で私を殺してくれ。あの割礼も受けていない者どもに捕まって、なぶり者にされたくないのだ。」 しかし、よろい持ちは恐ろしくて手が出せません。そこでサウルは剣を取り、その上にうつぶせに倒れて自害したのです。
その間、人々は苦しさのあまり自殺をはかりますが、どうしても死にきれません。どんなに死にたいと願っても、死は逃げて行くのです。
「殺してくれ!」苦しむアビメレクは、よろい持ちの若者に向かってうめきました。「女の手にかかって死んだなど言われてたまるか。」ほかにどうしようもなく、その若者は剣でアビメレクを刺し通しました。これがアビメレクの最期でした。