この時に殺されたのは約二十人で、一くびきの牛が半日で耕す広さの場所に死体が散乱しました。
必ず、どこかのほら穴にでも隠れておいでのはずです。もしそのお父君が襲いかかり、こちらの幾人かが切り倒されでもしたら兵が混乱し、口々に『味方がやられたぞ』と叫びだすでしょう。
すかさずサムソンは、そこに転がっていたろばのあご骨を拾い上げ、あっという間に千人のペリシテ人を打ち殺しました。
「殺してくれ!」苦しむアビメレクは、よろい持ちの若者に向かってうめきました。「女の手にかかって死んだなど言われてたまるか。」ほかにどうしようもなく、その若者は剣でアビメレクを刺し通しました。これがアビメレクの最期でした。
二人は崖をよじ登り、ペリシテ人がしりごみするところを打ちかかり、ヨナタンと若者は右に左に切り倒しました。
不意を突かれて、ペリシテ軍の全陣営、とりわけ先陣の部隊はパニックに陥りました。大地震にでも見舞われたように、恐怖におののきました。