『平和はどこにあるのだ。 あるのは恐怖とおののきだけだ。
海鳴りのようなうなり声とともに、 犠牲者を、ひと呑みにします。 イスラエル中が絶望のやみと悲しみに沈み、 空は暗黒になります。
あなたがたは飢えた熊のようにほえ、 鳩のように、いかにも悲しそうなうめき声を上げます。 神を見上げますが、神は守ってくれません。 横を向いてしまったのです。
あらゆるものを破壊する軍隊が、全地を荒らします。 主の剣が国の端から端まで暴れ回るので、 だれも逃げることができません。
羊飼いの半狂乱の叫び声、 指導者の絶望まじりの叫び声を聞くがいい。 わたしは彼らの牧場を荒らしたのだ。
また、わたしがイスラエルとユダについて語った次のことばも、書き留めておくのだ。
だがどうしたわけか、 エジプトの軍勢は恐れに取りつかれて逃げて行く。 人一倍の武勇を誇る兵士さえ、 うしろを振り向きもせず、一目散に逃げる。 恐れが四方八方から彼らを取り囲む。
北から攻めて来る軍隊を見なさい。 それは、おまえたちに襲いかかる強国だ。
ユダの誇りであるエルサレムよ。 喪服を身にまとい、灰の中に座り、 ひとり子を亡くしたときのように激しく泣きなさい。 何もかも滅ぼす軍隊が、 あっという間に攻めかかるからです。
戦争の音が北の国境から鳴り響く。 全地は、恐ろしい軍隊が近づく音に震えおののく。 敵が来て、国中の町や住民を滅ぼし尽くすからだ。
国中に響き渡る彼らの泣き声を聞いてください。 「主は、どこにおられるのだろう。 神は私たちを置き去りにされたのだろうか」と、 彼らは叫びます。 ところが主は、 「どうして彼らは、自分たちで作った偶像や、 外国の悪い習慣をまねることによって、 わたしを怒らせてしまったのか」と答えるのです。
エルサレムが絶望しきって泣いているのを聞け。 『町はすっかり荒れ果てた。悲劇が私たちを襲った。 こうなったら、国も家も見捨てるよりほかない。』」
宴会を嘆きの時に変え、 喜びの歌を絶望の叫びに変える。 おまえたちは喪服を着、頭をそり、 まるでひとり息子が死んだように悲しむ。 その日には、悲惨、ただ悲惨があるのみだ。」
彼らは王や君主をあざけり、要塞を鼻であしらう。 城壁に向かって土を積み上げただけで、 それを占領してしまう。
地上の新しい勢力として、カルデヤ人を起こす。 残忍で横暴なこの民は、世界を行き巡り、征服する。