この時も、王は金の笏を差し伸べたので、彼女は身を起こし、立ち上がって、
「この国ではだれでも、呼ばれてもないのに王宮の内庭に入ったりすれば、男でも女でも打ち首です。王がその者に金の笏を伸べてくださればいのちは助かるのですが。もう一か月も、陛下は私を召してくださっていないのです。」
王がふと見ると、王妃エステルが内庭に立っています。王は、「よく来た」と言わんばかりに、金の笏を差し伸べました。エステルは進み出て、笏の先にさわりました。
ハマンのことが片づくと、エステルはもう一度王の前に出て、足もとにひれ伏し、ユダヤ人に対するハマンの企みを無効にしてくださるようにと、涙ながらに訴えました。