ハタクはエステルの苦しい心中を告げました。
「この国ではだれでも、呼ばれてもないのに王宮の内庭に入ったりすれば、男でも女でも打ち首です。王がその者に金の笏を伸べてくださればいのちは助かるのですが。もう一か月も、陛下は私を召してくださっていないのです。」
しかし、モルデカイの答えはきびしいものでした。「ユダヤ人が全員殺されるというのに、王宮にいるからといって、おまえだけが助かるとでも思うのか。