そのとき人は、兄弟にすがって哀願します。 「おまえには余分の着物があるではないか。 王になって、この混乱した社会を 何とかしてくれないか。」
ところが、相手は口をとがらせるばかりです。 「私は何の助けにもならない。 着物も食べ物も余分にはない。 巻き添えにしないでくれ。」
その時、生き残りの男は数えるほどしかいません。 そこで、七人の女が一人の男を奪い合います。 「食べる物や着る物は何とかしますから、 どうか私たち全員と結婚してください。 あなたの名で呼ばれるようになればよいのです。 あざけりの目で見られるのはいやです。」
人々は熱狂して、むりやりにでもイエスを王にまつり上げかねない勢いです。イエスはそっと抜け出し、ただ一人、山に登って行かれました。