7 司令官ルシヤ様がこのパウロの身柄を力ずくで奪い、取り締まったのでございますーる。
7 千卒長ルシヤが干渉して、彼を無理にわたしたちの手から引き離してしまい、
7 守備隊司令官のルシヤ様が、この男を力ずくで奪い、
そのさなか、神殿を汚そうとした所を捕まえました。我々はこの危険なナザレ組を、私どもユダヤ教の掟にて裁こうといたしましたが、
彼を責めたければ、ペリクス閣下のもとへ行くようにと言うのでございますーる。すべて閣下のご判断にお任せいたしますが、彼にいくつか質問をすれば、これが事実であることが明白になりますーる!」
――パウロが今にも殺されそうになっているとき、神殿の都エルサレムが、混乱の渦真っ只中だという情報が、ローマ軍司令官に届いた。
連行中、こぞってついて来るユダヤ人の群衆・・・ 「ヤツを殺せェ〰〰!」 「ひぃッ!」 ぞっとした兵士は、思わず声を発した。階段に到着した時には、パウロを抱えて運ばなければいけなくなるほどに。
「なんですとォ〰〰!」 「わたせぃ!!!」 「いーや、こっちにわたせぃ!!!」 オオオ〰〰!!! 「こ、このままじゃ引き裂かれてしまう!直ちに確保しろッ!」 「はッ!」 議論は闘いへと発展し、パウロの体がバラバラに引き裂かれてしまうのではないかと、気が気ではなかった司令官は兵士に命じた。下りていってユダヤ人からパウロを引き離し、軍の建物にかくまうようにと。
司令官は2人の百人隊長を呼んだ。 「今晩9時、パウロを連れ、港湾都市カイザリヤへ向かう。歩兵を200名、騎兵を70名、また槍兵を200名同行させる準備を整えろ。