使徒行伝 6 - ALIVEバイブル: 新約聖書助人 七人衆 1 「おい、ふざけるなよ!こりゃ立派な差別だッ!!」 ――イエスを信じて従う仲間は勢いよく増えていった。しかし、新たな問題が浮上した。内部からの不満や中傷だ。 当時、ギリシャ語を第一言語とするユダヤ人と、へブル語を第一言語とするユダヤ人がいた。 へブル語/ユダヤ人グループが、ギリシャ語/ユダヤ人グループにいる未亡人に食料を均等に配らないという内輪もめがあったのだ。 2 十二使徒は仲間を集めて提案した。 「みんな聞いてくれ!神の言葉を教える労力をさいてまで、炊き出しに力を注ぐのはよくない。 3 ・・・とは言っても、解決すべき問題だ。そこで、兄弟姉妹たちよ!みんなから評価された7人を選び、連れてきてくれ!神の霊と知恵にあふれた者にこの件を一任しよう。 4 そうすれば、俺たちはめいっぱい祈りと神の言葉を教えることに専念できる!」 5 「それはいい!」 仲間たちはこの提案を受け入れた。 選りすぐりの7人を紹介しよう―― ステパノ 神の霊で常に満たされた確信の強い男。 それから、ピリポ、プロコロ、ニカノル、テモン、パルメナにニコラオ。 ニコラオ シリヤ州の都アンテオケ出身。 7人の中で唯一ユダヤ人ではない。元ユダヤ教の信者だったが、イエスの仲間になることを選んだ。 6 抜擢された7人が使徒たちの前に出た。光栄なのだろう、7人ともどこか誇らしげだ。 「よし、おまえたちにこれを一任するッ!」 使徒たちは、助人七人衆に手を置いて祈った。 ―― 【手を置いて祈る:特別な祝福や治癒、特務に必要な力や神の霊がその人に注がれるよう、求めるときに行う行為】 こうして、問題を解決する特務を与えられたチームが誕生した。 7 神の言葉はすごい勢いで広がり続け、仲間は神殿の都エルサレムで爆発的に増えていった。驚くことにユダヤ教の祭司までもが大勢イエスを信じて従い、仲間に加わったのだった! 助人 ステパノ 8 さて、先ほど紹介したように、助人七人衆の一員となったステパノは、特別に素晴らしく絶大なキセキを起こす力を神に与えられ、それを発揮しまくっていた。 9 そんなある日―― 自由民一派がステパノの前に立ちはだかった―― 【自由民とは、ユダヤ人でありながら、外国の地で元奴隷、または、父が奴隷だったが自由の身となり、神殿の都エルサレムに引っ越してきた人が集まってできた一派】 一派には、クレネの都やエジプトの首都・アレキサンドリヤ、キリキヤ州、アジヤ州から来たユダヤ人がいた。 10 「これこれこういうわけで、あなたたちは間違っている!」 「でもそれってこうですよね?」 「うっ!しかし・・・・・・」 彼らは議論を仕掛けてきたが、こんな調子で神の霊がステパノに知恵を与えるので、彼の屈強な言葉に誰1人として歯が立たなかった。 11 (ぬぅぅぅ・・・このまま引き下がると思うなよ・・・)言い負かされた自由民は仲間たちにデマを言いふらすよう手配した・・・。 「みなさーん!!!聞きました?今このステパノという男がモーセと神様をバカにしましたッ!!!」 「なんだって・・・?」 「聞いたか?あそこのヤツ、神様をバカにして回ってるらしいぞ・・・」 12 「捕まえろー!!!」 このような裏工作の結果、群集や長老、掟の学者の怒りをあおり、ステパノは連行された。 エルサレム神殿にある最高議会で裁判になるほどの大ごとに発展したのだ・・・。 最高議会裁判―― 13 自由民一派が裁判で根も葉もないウソの証言を言うようにと男を遣わした。 「この方はえらい悪党です!いーつーも神殿と掟に反することばかり並べ立てているのですから!信じられますか? 14 イエスが神殿を破壊して掟を塗り替えるなんて言うのですから!」 15 その場にいた者たちは、助人七人衆ステパノをじっとにらみつけていたが、彼の表情は、まるで天使のようであった。 |
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