使徒行伝 19 - ALIVEバイブル: 新約聖書港の 都 エペソに下る 神の霊 1 さあパウロに話を戻そう―― 旅を進めたアポロが、アカヤ州の港の都コリントにいた頃、いくつかの地を渡り歩きながら、パウロが向かっていたのは・・・ 港の都エペソ―― この都市でも、イエスの従者たちと出会ったので、こう尋ねた。 2 「ところで信じた時、神の霊は受けとりました?」 「はい?ホーリー?聞いたこともありませんが・・・」 3 「ほう・・・ではどんな洗礼を?」 「洗礼者ヨハネが教えた洗礼です!」 4 「確かに洗礼者ヨハネは人生を変えたいなら、洗礼を受けるようにと教えた。だが、それだけではない。自分の後に来る方を信じるようにとも教えていた。その方こそが“イエス”だ・・・!!!」 5 「おぉ!!!」 これを聞き、いてもたってもいられないイエスの従者たちは、すぐさま“イエスの名”によって洗礼を受けた。 6 ――ブワンッ―― 「――!――」 パウロが彼らの頭に手を置くと神の霊が天より彼らに下った。その瞬間―― 「#%&‘=~+@*」 口にしたこともない外国語を語り、互いに預言し合い、励ましあった。 7 そこにいた12名ほどの男たちが、神の霊を受け取ったのだ。 8 ――「いいか、神の王国とはな・・・・・・」 パウロはユダヤ集会所に足を運んでは、ユダヤ人に“神の王国”を受け入れるようにと説得した。その姿といったら大胆そのもの!パウロは、このように3ヵ月間伝え続けた。 9 幾人かの人たちは、心を閉ざし、信じることを拒んだ・・・彼らは会衆の前でさえ主の道を貶した。そんなユダヤ人から一線を引くため、パウロは、主の従者を連れ、ツラノという男の所有する学校に場所を移し、毎日、集まってくる人たちに教えた。 10 月日が流れ、気づけば2年――この働きの結果、アジヤ州に住む人、ユダヤ人/ギリシャ人、人種/国籍に関わらず、全ての人たちが王・イエスについて聞いたのであった! 呪文書の山、灰と化す 11 ヒラッ・・・ ――「お、おぉ・・・治った!治ってるぞぉぉぉ!!!」 神はパウロを通して人知を超えたキセキを起こした。 12 パウロが仕事で身につけていたはちまきや前掛けを病人にヒラッとかけると病気は治癒し、憑りつく悪魔たちが追い払われた。 13 ――さて、同じころ、お祓い師として生計を立て、各地を巡るユダヤ人の男たちがいた。 14 ――祭司スケワの息子七人衆―― 彼らは、ちまたでたいへん噂の王・イエスという名前を使ってお祓いをしてみようということになった。こんな会話の果て、早速その、“イエスの名”でお祓いする機会があったお祓い師七人衆―― 「パウロが伝えている“イエスの名”によって命ずる!この男から出て行けッ!!」 バシッと言った7人。 15 悪魔に取り憑かれた人はというと・・・ 「ハ?“イエス”ナラ知ッテル、“パウロ”ダッテ知ッテイル。ダガ、オメェラ・・・・・・誰ダ?」 16 次の瞬間―― 「ギャッハ〰〰!!!」 とり憑かれた男がお祓い師たちに飛びかかった! ボカッ!ボコッ!ビ〰リビリビリ・・・・・・ 「ひぃー!堪忍しでくでぇ〰〰!!」 やたらめったら殴られ、服を引き裂かれながらもお祓い師七人衆は命からがら、なんとかその家から逃げ出した―― 17 この出来事は瞬く間に港の都エペソ中に広まった。ユダヤ人、ギリシャ人など聞いた者はみな、恐れをなした。それと同時に圧倒的な力を持つ王・イエスを心から敬い、讃えた。 18 これを機に、多くのイエスの従者たちが犯してしまった過ちを自白した・・・! 19 占いなどの霊術を行っていた民衆は、今まで使っていた呪文書やお札を持って来ては、一カ所にポイポイ投げ捨てていった―― 【港の都エペソは黒魔術などのまじないごとの中心地でもあった】 積もりに積もり、呪文書の山ができた。 ボワッ 呪文書に火をつけると、勢いよく燃えた。ざっと見積もっても、銀貨5万枚に相当する量をだ―― 【この銀貨は古代ギリシャの銀貨だと思われる。銀貨1枚は1日あたりの平均労働賃金に匹敵する金額。つまり、5万日の平均労働賃金に値するのだ】 20 このような力強い方法で王・イエスの言葉は広まった。その結果、信じる人は急速に増えていった。 パウロの旅計画 21 マケドニヤ州→南へ→アカヤ州→神殿の都エルサレムというルートでパウロは、旅路を計画した。 (エルサレムの後は首都ローマへも出向かなければ・・・)―― 【どの町、都市を訪れてもローマ帝国に影響されているのを見たパウロは、最も影響力がある首都ローマで最高な知らせを広める重要性を感じていた】 22 パウロの信頼できる助手、混血のテモテと会計事務員エラストの2人を、先にマケドニヤ州へ送り、自分はアジヤ州に滞在することにした。 銀細工 社長が巻き起こす“港の 都 エペソの大混乱” 23 一方その頃、港の都エペソでは―― イエス王の道のことが大騒動にまで発展していた・・・ 24 事を起こした中心人物は ――銀細工社長・デメテリオ―― この男、女神アルテミスの神殿をかたどった小さな像や神殿を作って商売を成功させていた。そう、彼は多くの職人たちを抱える経営者である。 25 デメテリオ社長は、自分の職人たちや同業者を集めて会合を開いた―― 「皆のもの!分かり切ったことだが、俺たちはこの神殿の銀細工で食ってる。この銀の像のおかげで生活できてんだ。 26 ところが、あのパウロちゅう男はエペソの都とアジヤ州中を駆け巡っては、多くの人たちを改宗してやがるッ! しまいにゃ、『人の手で作ったものは本物の神様なんかじゃねぇ』なんて抜かしやがる!!! 27 こんなんじゃ、商売あがったりだッ!お客さんがみんな逃げちまう。それだけじゃあねぇ・・・声を大にして叫びてぇのは、このままじゃあ、偉大なる女神アルテミスの神殿を軽視し、彼女の威信が地に堕ちちまうということでぇい!!!アルテミスは、世界が崇拝すべき女神じゃあねぇのか!!!」 28 熱心な演説に刺激され、職人たちは怒り狂った。 アルテミス様ばんざーいッ! エペソの女神こそ最も偉大な神様だ〰〰!!! 29 ア゛〰ル゛〰デ〰ミ゛〰ズ!ア゛〰ル゛〰デ〰ミ゛〰ズ!!ア゛〰ル゛〰デ〰ミ゛〰ズ!!! ゔお゛〰〰・・・・・・・たちまち街中が混乱状態に陥り、そこら中で叫ぶ声が響き渡っていった。そんな中、パウロの旅仲間であるマケドニヤ出身のガイオとアリスタルコの2人は捕まえられ、無理やり野外スタジアムへ引きずりこまれた。 30 ――「な゛、な゛に゛ッ!!!」 騒動被害に巻き込まれたのが、仲間のガイオとアリスタルコだと知ったパウロ。飛んで野外スタジアムで話しをつけようとした・・・その時! バシッ! 「パウロさんッ!だ、だめです!」 イエスの従者たちが押しとどめた。 31 また、パウロの友人であるアジヤ州政府の役人たちも、「くれぐれもスタジアムに入らないように!」と注意書きの手紙を送って来たほど危険だった。 32 そのころ、スタジアム内では―― ある者はこう叫び、ある者はああ叫ぶという、もはや収拾のつかない状態に発展していた。ほとんどの人が、なぜここに集まってきたのかさえ理解していなかった。 33 そんな中、何人かのユダヤ人たちが人混みの中をかき分けた。ユダヤ人を代表して演説をしてもらうべく、アレキサンデルを群衆の面前へ押し立たせた―― 【群衆がこの一件をユダヤ人全体のせいにしていたため、ユダヤ人の問題ではなく、クリスチャンの問題だと説明したかったのだ】 アレキサンデルは、なんとか注目を集め、静かにさせようと群衆に向かって身振り手振り合図をした。 34 ところが、アレキサンデルがユダヤ人であると分かった群衆は前よりひどく荒い声をまき散らした。 ・・・女神アルテミス様ばんざーい!!! ・・・最も偉大な女神アルテミス様、ばんざーい!!! ・・・女神アルテミス様ばんざーい!!! 繰り返し何か叫びだしたかと思うと、これが2時間も続いた・・・ 35 この騒ぎにとうとう市長までもがかけつけ、やっとのことで騒ぎが鎮まり始めた―― 「エペソの諸君。ここが、偉大なる女神アルテミスの神殿、また、女神の聖なる岩を有する地であることは、分かっているではないか! 36 これはどんなに騒いでも否定できない事実。だから、事を起こす前によく考えなさい! 37 みなさんがここに連れて来た男たちは我々の女神に対して、何ら悪い発言をしたわけでも、盗みを働いたわけでもありませんッ!! 38 我々には法廷があり、裁判官がいる。 銀細工職のデメテリオ! そして職人たちよ!2人を訴えたいか!?であれば法廷へ行きなさい!そこで話したいだけ話せばいい! 39 それ以外に何か不平不満があって声を上げたいのならば、市民の会合に来なさい。そこでもっと話し合いましょう。 40 とにかく、今日の騒動の責任を問われても、説明の余地なしだ!なんせ、この騒ぎには正当性がないッ!」 41 市長はそこに集まった会衆を解散させた。 |
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