使徒行伝 17 - ALIVEバイブル: 新約聖書ヤソンが支払った保証金 1 パウロとシラスの旅は続いた・・・ ピリピの都→約50㎞西へ→水の都アムピポリス→数㎞南へ→港湾都市アポロニヤ→約100㎞西へ進み、たどり着いたのは、マケドニヤ州で裕福かつ有力な港の都テサロニケ―― そこにはユダヤ集会所があった。 2 今日も、いつものようにユダヤ集会所に入って行くパウロ―― 「パウロさん、質問が!あの、聖書のここに書いてある・・・・これは・・・・・・?なるほど・・・!」 休日に行う聖書についての意見交換は3週間あまり続いた。 3 ――「今、私が話したイエスがここに記された救世主だ!」 聖書箇所をもとに救世主が一度死んでから、蘇る必要があったことを説明した。 4 パウロの話を聞き、イエスの信者になったユダヤ人数名、さらには敬虔なギリシャ人、有力な貴婦人たちが仲間になった。 5 信じなかったユダヤ人たちは嫉みを抱き、都市にいた“ごろつき”たちを集め騒動を起こした・・・ ――「パウロはどこだぁぁぁ!!!」 「シラスはどこだぁぁぁ!!!」 パウロとシラスを集会の真っただ中に引きずり出そうと、ヤソンの家まで探しに行った。 6 しかし・・・結局2人を見つけることはできなかった。 「えぇーい、もうおまえらでいいわ!俺と一緒に来やがれぇ!!!」 ついにはヤソンと何人かのイエスの信者を引きずり出し、役人に向かって叫んだ。 「世界中で騒ぎを巻き起こしているヤツらが、この都市にいやがりやす!! 7 このヤソンという男はそいつらを家にかくまってやがるんです!イエスとかいう別の王がいるとか言って、カイザル様の法律に背いてやがるヤツらなんすよ!!」 8 「なんだとぉ?!」 これを聞いた役人と周りにいた人はみな怒り狂った。 9 結局ヤソンを含むイエスの信者たちは、もう騒ぎを起こさないことを保証するために多額の保証金を支払わされた。 勤勉 な 民 10 その夜―― イエスの信者たちは、夜のうちにパウロとシラスを隣町のベレヤに送り出した。それは港の都テサロニケから南西に約70㎞行ったところにある町だ。 ベレヤの町―― 到着するやいなや目指したのはユダヤ集会所。 11 ベレヤの町人は、学ぶことに貪欲だった・・・ 港の都テサロニケの人に比べ、パウロの言葉に喜んで耳を傾け、聞いたことが本当かどうか確かめるために毎日聖書を読んでは調べた。 12 そして、ギリシャ人の有力な女、男たちを含む多くの人がイエスを信じたのだ! 13 ――「なぁにぃ!?今度はベレヤの町でだとぉ!!!」 パウロが、ベレヤの町で神のメッセージを伝えているという情報が、港の都テサロニケのユダヤ人の耳に入ってきた。 わざわざベレヤの町にまでやってきては、町人にデマを吹きこみ、騒ぎを起こし始めた。 14 イエスの信者たちはすぐに、パウロを海沿いへ送った。しかし、シラスと混血のテモテはベレヤの町に残ることを選んだ。 15 ――「“なるべく早くこちらへ”と伝えてくれ」 海の向こうの都アテネにたどり着いたパウロからシラスと混血のテモテへの託けをあずかり、お付の者はベレヤの町に戻って行った。 知られざる神 16 都アテネ―― 「な・・・何だこりゃ・・・・」 シラスと混血のテモテの到着を待つパウロは、どこへ行っても偶像だらけの、都アテネの有様を見て激しく憤った。 17 パウロは、真の神を信じるユダヤ人、ギリシャ人とユダヤ集会所で論じ合った。また、毎日広場に出向いては、そこに集まってくる人とも論じ合ったのだった―― 18 エピクロス一派とストア一派の哲学者の何人かがパウロに異論をぶつけた。 「このかたは自分が何を言っているのか分かってないようですねぇ。ズバリ!何が言いたいのかさっぱりですよ」 パウロは彼らに、“イエスについての最高の知らせ”と“3日目の復活”について話した。 「あの方は、ズバリ!外国の神々について語っているようですねぇ」 19 ――パウロは、都アテネのアレオパゴス丘で開催された議会に招かれた。 「あなたが教えている新しい考えとやらについて、もう少し説明してくれませんかね。 20 私たちにとってすごく新鮮でして。こんな教えは一度も聞いたことがないんで、ぜひともその意味をお聞かせ願いたい!」 21 ――都アテネの人、そこに住んでいた外国人たちは、時間さえあれば、最近の考えについて情報交換して過ごしていた。 22 ――スッ 「アテネの皆さん!」 パウロが立ち上がった。 「この都市のあらゆる点で、とても宗教的な人たちであることが分かりました。 23 通りを歩いているとき、みなさんが祈りを捧げ、崇拝している祭壇を目にしました。そこに記されていた言葉はこう・・・ ――知られざる神に―― みなさんは“知らない神”を敬っているが、実にその“神”こそが、私が話したい“神”だ。 24 “神”はこの世界、この地にある全てを創造した。天地の王であり、人間の手によって作られた宮には住んではいない。 25 人間を創造し、命を授け、息を与え、私たちの必要全てを満たしてくれる方・・・自分が創った人間の助けなどはもちろん無用。何せ、全ての源だからだ・・・ 26 神はまず1人の人間を創り、そこから世界の至るところに住む、異なる全ての人種を生み出した。“いつ”、“どこ”で生きるかまでをも明確に定めた。 27 神は人間に探しだしてもらいたいと思っている。実際、本気で探し求めるなら、必ず見い出す!!そう、神は私たちから遠く離れてはいない!!むしろいつもそばにいる!! 28 神によって、私たちは生きることができ、使命を持ち、それを成し、ありのままの己として存在する。『私たちもみな、神の子どもなのだ』と詩人たちが語ってるが、 29 まさにその通り!私たちは、神から生み出された者です。 だから人が想像したり、作れるような神を考えてはいけない。金や銀、石で作られた神とはわけが違う。 30 人が神を知る前、神は人について大目に見ていた。しかし今は、世界のありとあらゆる地で心を入れ替え、神に立ち返るようにと語っています。 31 神は、全世界の人間を公平に裁く、その日を定めている。すでに選ばれた“1人の方”、その方が死から蘇ることによって、人にそれを確信させた!!」 32 「なんだそりゃ!」 「いや、興味深い!その話、後でもっと聞かせてください!!」 人が死から蘇るところまで聞くと、あざ笑う者もいれば、もっと知りたいと求める人もいた。 33 パウロは議会を後にした。 34 「パウロさん、待ってください!」 パウロの後を追う者が何人かいた。その中にいたアレオパゴス丘で開かれる議会の議員であるデオヌシオやダマリスという女、また、その他の人たちがイエスの信者となったのである。 |
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