使徒行伝 13 - ALIVEバイブル: 新約聖書神からの指名 1 三大都市アンテオケ―― アンテオケ教会の預言者や教師である指導者たちはこんな顔ぶれだ。 励ましのバルナバ 黒人のシメオン クレネのルキオ ヘロデ王の幼なじみ・マナエン サウロ 2 ある日、このメンツ一同が天地の王に仕え、断食していた時のこと―― 「――励ましのバルナバとサウロに“わたしの”特務を一任する――」 「――“わたしが”彼らを任命した――」 神の霊だった。 3 教会は、断食して祈った。そして、この2人に手を置き、祝福を祈った後、特務のために送り出したのだった。 いざキプロス島へ 4 港の都セルキヤ―― 励ましのバルナバとサウロは神の霊に導かれ、三大都市アンテオケから港の都セルキヤに下ってきた。そこから船に乗って、地中海に位置するキプロス島に向かうためだ―― 【キプロス島は、ユダヤ人の人口が多く、バルナバの故郷でもあった。面積は9251㎢で、日本の四国、約半分の島だ】 5 キプロス島の都市サラミスで下船―― 「はは、懐かしいな・・・!」 励ましのバルナバがこぼした。 さっそく2人は、助手・マルコと呼ばれるヨハネとともに都市サラミスにあるユダヤ集会所で最高の知らせを伝えた。 6 キプロス島の都パポス―― 島中を回り、都市サラミスの反対側に位置する都パポスに着いた。 そこで、ユダヤ人の魔術師エルマに出会った。自称・預言者、その名をバルイエスと言い、ギリシャ名がエルマだった彼は偽預言者だ。 魔術師エルマ 7 魔術師エルマは、その地方の総督であるセルギオ・パウロの世話になっていた。セルギオ・パウロ総督は非常に賢く、神の言葉をぜひとも聞きたいと、励ましのバルナバとサウロを屋敷に招待したのだ。 8 しかし、これに猛反対したのは、魔術師エルマだった。総督にイエスを信じてもらいたくなかったのだ。 9 ドヒュン―― だがサウロ、またの名をパウロは、神の霊に満たされ、魔術師エルマをギロッと睨みつけた・・・ 10 「このペテン師め!おまえのような悪魔の子は、正しい者の敵だ。真理を曲げることが生き甲斐か? 11 自業自得だ、神がおまえの目からしばらく光を奪う。おまえは、太陽の光さえ見えなくなる」 「!」 エルマの表情が凍りついた・・・ 「あ、あ、あぁぁぁ〰〰。め、目が〰〰!だ、誰か手を貸してくれ〰〰!!!」 本当に目が見えなくなったのだ!ふらふらしながら、手をひいてくれる者を探しまわり始めたエルマ。 12 (か、神の偉業だ・・・)セルギオ・パウロ総督は、この様子を見て、イエスを信じた。イエスの教えに心から感心したのであった。 パウロが明かす 最高な知らせ 13 さて、パウロ一行は、キプロス島の都パポスから船出した。 行く先は、およそ300㎞離れたパンフリヤ州にある港の都ペルガ! 港の都ペルガ―― ここで助手マルコ・ヨハネは2人を置いて、神殿の都エルサレムへとっとと帰ってしまった・・・。 14 それでもパウロと励ましのバルナバは旅を続けた。 次はおよそ200㎞北上して着いたのは、ピシデヤ地方の都アンテオケ―― 【アンテオケは、道路が整備された交易の中心地だった】 休日―― 2人は神を礼拝するためにユダヤ集会所に入って座った。 15 “モーセの書”と“預言者の書”を読み終わると、ユダヤ集会所の会堂長が2人に言ってよこした。 「兄弟たちよ、もしここにいる人たちの助けになるような話があれば、是非お願いします」 16 パウロが立ち上がり、サッと手を上げて注目を集めた。 「イスラエルのみなさん、ならびに真の神をたたえるその他のみなさん。お聞き願いたい! 17 イスラエル国の神は、我々の先祖を選びました。そして、エジプトに外国人として住んでいた先祖を偉大な民としてくれた。そしてそこから、その偉大な力でご先祖をエジプトから導きだしてくれました! 18 そして荒野で過ごした40年、彼らの不満の声や、わがままにも耐えながら、滅びないように養いました。 19 カナンの地にあった7つの国を打ち倒し、その地を与えてくれました。 20 これらすべて450年の間に果たされたことです。その後、神は預言者サムエルの時代まで彼らに強力な指導者たちを立て続けてくれました。 21 そして、王を強く求めた彼らに、ベニヤミン族のキシュの子・サウロを選び、40年の間、王として務めさせました。 22 やがて神は、サウロを退任させ、代わりにダビデを王として選抜し、こう言ったのです。 『エッサイの子ダビデ!私が選んだ男。私が願うとおりに生きる男』だと。 23 神は、ダビデと約束した通り、イスラエル国の救世主をダビデの子孫から誕生させました。 その名も“イエス”! 24 洗礼者ヨハネは、イエスが来る前に何をすべきか、イスラエル中に伝えました。新たな生活を歩む証として人々に洗礼を授けたのです。 25 ヨハネが役目を全うした時、こう言いきりました。 『私を誰だと思っている?私は選ばれた救世主ではないぞ!その方は後から来るが、私にはその方の靴ひもをほどく価値すらない!』と。 26 アブラハムの子、兄弟、そして家族。また、神を讃える外国の方々よ、よく聞きなさい!この“救い”の知らせは、我々のもとへ“届いた”のだ! 27 神殿の都エルサレムの市民と、その指導者たちはイエスが誰なのか分からなかった。毎週、休日にはイエスについて預言者たちが告げたことを読みあげていたにもかかわらず! そしてついにはイエスを殺してしまった・・・だが、それで預言者のことばは実現した! 28 彼らは、死刑にする法的理由を何一つ見つけられなかったのにもかかわらず、ピラト総督に死刑を執行するように願いでた。 29 ユダヤ人は、イエスに起こると預言された全ての悪を行った。そしてイエスを十字架から降ろし、墓に埋めた・・・ 30 ところが神はイエスを死から蘇らせたんだ!! 31 ガリラヤ地方からエルサレムまで、イエスと共にいた仲間たちは、何日にもわたり、生き返ったイエスを目にしたんだ!!!目撃した彼らこそが我々同胞の生き証人。 32 私たちも、昔、神が先祖に約束された、この最高な知らせを伝えている! 33 そう、我々がその子孫であり、神がイエスを復活させたことによって、約束を守ってくれた!! その約束とは詩篇の2章にある。 『🎼あなたは私の息子。 私は今日、あなたの父となったのだ』と―― 【聖書:詩篇2:7より引用】 34 神はイエスを死から蘇らせ、二度と朽ちない体を与えた。 そして神はこうも言った。 『ダビデと交わした真で聖別された約束を、おまえに与えよう』―― 【聖書:イザヤ書55:3より引用】 35 そして詩篇の別の箇所にははっきりと 『🎼神は聖なる者が墓の中で朽ち果てることを赦さない』―― 【聖書:詩篇16:10 からの引用】と言った。 36 ダビデ大王は生きている間に神の思いをしっかり全うした。だが彼は死んだ後、先祖と同じように葬られた・・・彼の体は死後、朽ちたが、 37 神が生き返らせた者の体は、朽ち果てることはなかった!! 38 みんな、我々が伝えることをよく理解してほしい。このイエスを通し、我々の過ちは赦される! 39 掟はあなたの罪を取り除けなかった。しかし、イエスを信じるならその罪悪感から解放される!! 40 だからこそ、この預言者の忠告がみなさんに当てはまらないように、注意してほしい! 41 『見よ、疑う者どもよ。 驚け、そして滅び去れ。 あなたが生きている間に、 聞いても信じられないことをするからだ』」―― 【聖書:ハバクク書1:5より引用】 42 礼拝も終わり、パウロと励ましのバルナバがユダヤ集会所を去ろうとした時のこと、 「すみませーん!来週も教えてもらえないでしょうか!」 「ぜひまたお聞きしたい!」 そこにいた人たちは、今日聞いた話について、来週もまた教えてほしいと口々に頼んだ。 43 集会のあと、人びとはパウロと励ましのバルナバについて行った。その中にはユダヤ人や自分の宗教から改宗し、ユダヤ人のようになり、真の神を賛美する決断をした人たちが多くいた。2人はさらに恵みが受け取れるよう、彼らに教え続けた。 44 翌週の休日の出来事だった―― 「おい!前が見えねぇぞい!」 「コラ!押すんじゃねぇ!危ねぇだろ!」 「てやんでぃ!俺たちはこの話を聞くまで帰らねぇよ!」 「みなさん落ち着いてくださ~い!!」 その日、ユダヤ集会所は、人、ひと、ヒト!都中の人が2人の語るイエスの言葉を聞きに来たのだ。 45 この状況を見て嫉妬したユダヤ人たちもいた。彼らは2人の話にとことん反発して口論した。 46 しかし、パウロはビシッと対応した。 「我々は神からもらった最高な知らせを、まずあなたがたユダヤ人を優先して伝えなければならなかった。にもかかわらず、あなたがたは自らそれを突っぱね、永遠の命を受けるにふさわしくないことを証明してしまった・・・。 それで私たちも見切りをつけ、ユダヤ人ではない人たちへ伝えることを決心するほかなかった。 47 “神が”私たちにこう命じた、 『おまえを外国人たちの灯火とした。 世界中の人が救われる方を知るために』」―― 【聖書:イザヤ書49:6より引用】 48 おぉぉぉ!!! これを聞いた外国人たちは興奮を隠しきれない。パウロたちの話を喜んで信じ、大切に心に閉まった。永遠の命を受けとるにふさわしい者として選ばれたのは、外国人である彼らだったのだ。 49 こうしてピシデヤ地方の都アンテオケを取り巻く全ての地域に王・イエスのメッセージは広まっていった。 50 しかし、嫉妬したユダヤ人たちが黙っていなかった。位が高い女宗教者や都の権力者をそそのかし、パウロと励ましのバルナバに敵対させた。彼らは、2人をこの都から追い出したのだった。 51 パンッパンッパンッ・・・ 2人はこの都にこれ以上関わらないという意味で足からちりを払い落とし、心をきりかえて150㎞東にある都イコニオムへ向かった。 52 一方、ピシデヤ地方の都アンテオケ―― パウロらの言葉を信じたその都のイエスの従者は、神の霊で満たされ、喜びに満ちあふれた生活を送ったのだった。 めでたし、めでたし。 |
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