使徒行伝 10 - ALIVEバイブル: 新約聖書百人隊長の 聖なる幻 1 港湾都市カイザリヤ―― ――コルネリオ百人隊長―― 紹介しよう、この都市にはコルネリオというローマ軍イタリヤ隊百人隊長がいた。 2 彼や彼の家族、家臣たちも神を強く信じており、いつも神に認められた生き方をしようと励んでいた。貧しいユダヤ人に喜んで必要なものを与え、祈ることは常で、忘れることはなかった。 3 ある日の午後3時ごろ―― 「――コルネリオ!――」 鮮明な聖なる幻の中、天使に話しかけられたコルネリオ。 4 「はっ、はいっ!何のご用でしょうか?!」 コルネリオは恐怖いっぱいの瞳で天使をじっと見た。 「――神は、あなたが頻繁にする祈りにいつも耳を傾けている。貧しい人たちに物を与えるあなたの姿を見て、あなたを助ける準備をしているのだ。神はあなたについて何もかも知っている。 5 港町ヨッパに使いを送り、シモン、または、岩のペテロと呼ばれる男を探すのだ。 6 彼は海辺に住む革細工職人シモンの家にいる――」 7 シュン―― 伝えるべきことを言うと、天使はあっという間に消えてしまった。コルネリオ百人隊長は、すぐに2人の召使いと1人の兵士である部下を呼んだ。この兵士は、コルネリオ隊長によく仕える部下で、神に従う者だった。 8 「・・・と、いうわけだ・・・頼んだぞ」 「はッ」 コルネリオ百人隊長は3人にたった今起きたことを全て話し、港町ヨッパへ送り出した。 9 翌日の昼、3人は港町ヨッパ近くまで来た。 その頃、ヨッパにいる岩のペテロは、家の屋上で祈っていた。 10 ぐぅぅぅ・・・ お腹が減り、食事ができるのを待っていると聖なる幻を見た。 11 グオ――ン・・・ 「ん・・・?」 天が開いた???そして、4隅がピンっと張られた大きな布が天から下りてくるではないか!布の中央には何か乗っているようなたるみがある。 12 よく見ると、そこにはあらゆる種類の動物、爬虫類や鳥類やらがいた。 13 「――起きろペテロ。この中から好きな生き物を選び、殺して食べるのだ――」 14 「そんな!俺は汚れたものや、食べるべきでないものは一度も食べたことがない!」 とっさに聞こえた神の声に岩のペテロは焦りをみせた。 15 しかし、天の声は続く。 「――私がこれらのものを聖くした。だからもう聖いのだ。ふさわしくない、などと言ってはならない――」 「し、しかしっ・・・!」 16 スゥ―― こういったやりとりが3回続いた後、生き物が入った布は天へ戻っていった。 17 「これはいったいどういう意味だ・・・」 岩のペテロが聖なる幻の意味について思いをめぐらしていると・・・ すみませーん!コンコンコンっ コルネリオ百人隊長から送られた3人が、革細工職人シモンの家の戸口にいた。 18 「こちらにシモン・ペテロさんはいらっしゃいますか?」 19 岩のペテロがまだ聖なる幻のことを考えていると、 「――よく聞け、3人の男があなたを探しに来た。 20 1階に下りて彼らに会うんだ。心配はいらない。彼らを呼んだのは私だ。彼らと共に行け――」 それは、神の霊だった。 21 ――ガチャ 「お探しのシモン・ペテロは俺だが、いったい何の用で?」 22 「コルネリオ百人隊長よりもらったことづけを伝えにまいりました。それは、夢の中でした。天使より、あなた様の話を聞くため、家に招くようにとお告げがあったのです。 コルネリオ隊長は、神様をこよなく愛す善人です。また、その地方のユダヤ人に大変敬われている方です」 23 岩のペテロはうなずいた。 どうぞ中へ・・・ 3人の使いを家に招き入れた。その晩、彼らに食事をふるまい、家に泊めたのだった。 翌朝―― 岩のペテロはコルネリオ隊長のもとへ出掛けた。港町ヨッパのイエスの従者たちも何人か一緒に来た。 24 翌日、港湾都市カイザリヤ―― (シモン・ペテロ様がもうすぐ・・・) 「準備は整っているか?」 「はッ!!」 コルネリオ百人隊長は、家族や親戚、仲間を家に招き、岩のペテロを迎える準備は万端。みんなで 今か今かと待っていた。 25 コルネリオ隊長!シモン・ペテロ様をお連れしました! 岩のペテロが家に踏み込むと―― ペ、ペテロさまー!!! コルネリオ百人隊長は彼への敬意から岩のペテロの前にひれ伏して褒め讃えたのだ。 26 「顔を上げろ!俺はあなたとなんら変わらない人間だ・・・!」 27 岩のペテロはコルネリオ隊長と話しながら家の奥へ進んでいった。 「ようこそ〰〰!!!」 岩のペテロを歓迎するため、そこにはたくさんの人が集まっていた。 28 「・・・ユダヤ人とユダヤ人以外の人が友好関係を持つことや、ユダヤ人以外の家の訪問は、俺たちユダヤ人の掟で禁じられていると知っていますね。だが、その資格があるか、聖いかどうかを俺が測るべきでないと神が示してくれた。 29 だからこの招待を拒まなかった。さあ、俺を呼んだ理由を聞かせてもらおう」 30 「4日前です・・・私は祈っていました。すると、ちょうど今と同じ3時ごろに、突然美しい衣に身を包んだ人が現れて、 31 こう言いました。 『神はあなたの祈りに耳を傾けている。貧しい人たちに物を与えるあなたの姿を見て、あなたを助ける準備をしている。あなたの全てを知っている。 32 港町ヨッパに使いを送り、シモン、または、ペテロと呼ばれる男を探せ。彼は海辺に住む革細工職人シモンの家にいる』と! 33 そこですぐにあなたのもとへ使いを送りました!本当にようこそおいで下さいました!我々の王があなたにお命じになったことを1つ残らず伺うため、神様の前にこうして集まったのです!」 コルネリオ百人隊長の目は喜びのあまり輝いていた。 コルネリオ百人隊長と岩のペテロ 34 岩のペテロは息をつくと語り始めた。 「たった今、神は誰もひいきしないということがよくわかった。 35 神を心から愛し、正しく生きるなら、人種や国籍は関係ないということが! 36 神がイスラエルの民に告げた最高な知らせとは、“救世主・イエスを通して平和が実現した”ということ。イエスこそが全ての民を統べる王! 37 ユダヤ全土で起きたことは知っているだろう・・・それはガリラヤ地方で洗礼者ヨハネが洗礼を受ける必要があることを伝えたことから始まった。 38 ナザレ村出身のイエスについて耳にしたと思うが、神は神の霊と、力を与えることにより、彼が約束されし王であることを示した。イエスは行く先々で人々のために生きた。悪魔に支配された者を解放し、神が共にいることを証明した! 39 俺たちはユダヤ人とイスラエルの民の間で、イエスのありとあらゆる働きを目にした。それからイエスは、木製の十字架にかけられて殺された・・・ 40 その3日目には神の手によって生き返り、その姿を公にした! 41 神から証人として選ばれた俺たちへのみその姿をあらわにした。俺たちは復活したイエスと飲み食いさえしたんだ!! 42 俺たちは、すべてのユダヤ人にイエスこそが生きた人から死人までの全人類を裁く、神より選ばれし裁判官であることを伝えるように命じられた。 43 イエスを心底信じる人は誰でも、イエスの名によって過ちが赦される。これにはすべての預言者が同意した・・・!!!」 外国人に下る 神の霊 44 岩のペテロが話している最中だった―― ボッボゥボゥボゥボゥ・・・ 話しを聞いていた全員の上に神の霊が下るではないか! 45 (な、が、外国人にぃぃぃ・・・?!!) 港町ヨッパから岩のペテロのお供をしていたユダヤ人は目を丸くした。 46 彼らは話したことのない外国語で語り、神を讃えはじめるではないか! 47 ペテロは目を輝かせた。 「これを見て、だれが彼らの洗礼に反対できる? 俺たちユダヤ人同様、彼らも神の霊を受けとったッ!!!」 48 岩のペテロは、仲間たちに救世主・イエスの名によって、コルネリオ百人隊長とその仲間、親戚へ洗礼を授けるように指示した。 それからコルネリオ百人隊長は、岩のペテロに数日間滞在するように頼んだ。 |
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