だれにも責められないからといって、 孤児の弱みにつけこんだことがあるだろうか。
気の毒な未亡人を手ぶらで追い返し、 みなしごの腕をへし折った。
悪者は貧しい人に金や穀物を貸す前に、 父のない子を母親の乳房から奪い取り、 その赤ん坊をまず担保として取る。
私は曲がったことの嫌いな裁判官として、 生活苦にあえぐ貧しい人や、 身寄りのない子どもたちを助けてきた。
あのころ、私は町の門に行くと、長老の席に座った。
腹をすかせた孤児に、 食べ物を恵まなかったことがあるだろうか。
それでは、身寄りのない孤児を傷つけ、 友を売るのと同じではないか。
貧しい者、悩む者、身寄りのない者、 日々の暮らしに事欠く者を公平にさばけ。
ごちそうをたらふく食べ、 周りの人にもてはやされている。 彼らの悪事は際限がなく、みなしごを正しく扱わず、 貧しい者の権利をないがしろにしている。
両親は全く顧みられず、寄留者や旅行者は保護という名目で不当な金を払わされ、孤児や未亡人は不正な扱いを受け、さんざんな目に会っている。
彼らは、あらゆる手段を用いて悪を働いている。 しかも、その手口のうまいこと。 政治家も裁判官も、わいろを求める。 金持ちは彼らを買収し、じゃま者を消す相談をする。 正義はゆがめられてしまった。